信じるということは、自分のなかに何かを存在させることです。神を信じている人は、本当にその人の中に神が存在しています。悪魔だって同様です。大事なのは自分が”何を信じ、何を存在させるか”です。それは、コントロール不可能のように見え、とてつもなく大変な作業のように思えますが、思考のトレーニングによって、以前よりも容易になっていきます。
日本人の幸福度が他国よりも低いということが問題になって、首相が「最小不幸社会」という意味不明なものを実現すると言い出しました(意味不明というのは、言葉の意味ではなくなぜそんなことを言うかが理解できないということです)。そもそも日本人は”不幸じゃなかったら幸せ”なのではなく、”他の人よりも金持ちでなければ不幸”という考えなので、最小不幸社会を実現したところで、幸福度が上がるとは考えにくい。そして、金持ちになるためには、仕事にすがるしかなく、その仕事のイメージが”サラリーマン”という働き方に凝り固まっている。また、仕事が無くなれば、社会の負け組になってしまうので、逆説のように思えるが、社会に通用する人間ではなく、会社で偉くなるための努力をしてしまい、リストラされたときは救いようがない。
ちきりんさんがブログで、この構造を絵にして紹介していました。
(以下、ちきりんさんのブログより拝借)


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多くの人はA図のような考え方をしていると思います。すべての根底に仕事があるため、仕事を持っていない人をけなし、仕事をせずに自分よりも豊かな生活を送っている人を妬み排除しようとします。お金と仕事に対する努力は完全にリンクするものではないので、能力がある人にとっては生きにくい世の中です。
僕が目指しているのはB図です。柱がひとつなくなっても一番上が崩れることがないので、修復も可能ですし、心理的な負担も少ないです。
A図とB図の描いている人の違いは、その人のライフスタイルよりも、”考え方”だと思います。要は、考え信じることで、存在させることができるのではないでしょうか。これは、自明なので明確な理屈を言うことができませんが、考え方を変えたいけど変えれないと感じてしまう人は、信じ存在させるまで自分を騙すことが必要だと思います。例えばネットで自分とは違う名前で、なりたい人格で振舞い、発言することで、徐々に変わったりできることが心理学的な実験で証明されています(僕はしませんが)。
行き過ぎたポジティブ思考は成長の停滞でしかありませんが、必要なときに必要なだけ思考をコントロールできる術を持っていることが大事なのではないでしょうか。