トヨタがリコール問題でアメリカからかなりのバッシングを受けていますね。
金融危機の影響で、ただでさえ海外の需要が下方傾向にあったトヨタのような輸出産業が低迷するのは日本の経済にも少なからず影響を及ぼすでしょう。
そもそも日本の景気は輸出の好況を足がかりにしていくものなので、その種火がつかないとなると、日銀がどんなに頑張ろうと景気回復は難しくなるでしょう。
現代は大企業でも倒産するリスクは存在します。
現在も就職活動をする学生にとっては大企業が人気のようですが、彼らは本当に40年後もその大企業が存続すると信じているのでしょうか。
終身雇用が日本企業の伝統と見る見方が広まっていますが、これは間違いです。
もともと技術者(労働者)は、働く場所を転々として技術を磨いて、独立していくといったパターンを取っていました。
終身雇用が実現したのは高度経済成長の下、労働力を総動員して成長をした大企業のみです。
この雇用形態は成長が右上りしているときは、非常に効率的なものでした。
企業内で労働者を熟練させ、その流出を防ぐことができるし、若手の頃は安い給料で我慢して将来の給料に対して貯金をしていくことで人生設計がしやすく、会社に対して忠実な人間を育てることができました。
しかし、現在は状況が変わってきています。
大企業のような大きな図体は変化が早い現代において反応が遅い恐竜のようなもので、ようやく態勢を変えたところでもはや、その状況はまた変わっています。
しかも、感情論のみを優先している派遣労働の規制など労働流動性の硬直化や、中年正社員の既得権保護の影響で、完全に身動きが取れなくなってきています。
ネットインフラが低価格で実現出来る現代においては、オフィスも持たずに数人で事業を行う方が明らかに有利です。固定費のコストが削減でき、通勤地獄に悩ませることもなく、時代の変化にも柔軟に対応出来ます。報酬はプロジェクトごとに受け取ることができるので、固定給に依存してイノベーションを抑制することも避けられます。
こういった事業形態を考えると、さぞかし忙しく働かなくてはいけないと考えてしまうのが日本人です。
しかし、それは労働時間がそのまま収入(収穫)に影響する昔の農業的な産業の話であって、インターネットの普及で限定費用はますます低く抑えられるようになっています。
大事なのは収益モデルとアニマルスピリットであって、リスクを伴いますが、私的には今の状況で大企業に就職する方が、若手の頃は技能も身につかず会社ネームブランドのおかげで仕事ができてしまうので、よっぽどリスクが高いと思います。