ITコンサルジャンキー

ITコンサルが日々感じたことをネタにしたりしてます

2011年11月

日本とアメリカのエンジニアの違い

  
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日本のプログラマやSEの社会的イメージは非常に悪い。下請企業もといブラック企業と言われたり、3K(汚い・きつい・危険)と揶揄されたりと、いわゆる”社畜”のイメージが付きまとう。しかし、外資系の企業はどうだろう。Google、Appleといった企業で働いているエンジニアはとてもクリエイティブで楽しそうなイメージがある。もちろん、外資系企業で非常に優秀な方でも日本の(一般的な)エンジニア並に長時間労働・休日出勤はざらにあると思うのだが、社畜的な"汚さ"といった物はあまり感じられない。その理由について述べた中島聡氏の記事がこちらだ。

なぜ日本のソフトウェアが世界で通用しないのか

つまり、いわゆるシリコンバレー企業はVC等の投資家からお金を借りて事業を開始している。お金を貸す側としては当然リターンを求めるわけで、事業計画やどんな社員がいるのかということに気を使うのは当然である。そのため、創業当時から優秀なエンジニアが集まる傾向にある。また、シリコンバレーでは企業の新陳代謝が活発でエンジニアが別の企業に移動するということは前にいた企業のノウハウや技術を持ってい移動するわけで、知識の共有が進みやすい。それに比べて日本はITゼネコンに代表されるように国家主導でITを推し進めて言った結果、”新しい価値を生み出す”のではなく”設計書通りにプログラムを作る”といった建築と似た構造が確立してしまった。それに加えて、技術の専門性を重視しなかったので今でも文系・プログラムを組んだことがない人でもプログラマやSEとして企業に就職できたりしてしまう。その労働は人月という計算方法で非常に定量的に評価されてしまうため、新しい社会的価値を生み出すということはあまりない。
 
しかし、そういった日本のプログラマは人月という計算方法のせいで常に価格競争に追われ、中国やインド等の安い労働力とも競わなければならない。そうなってくると今後10年後という展望で考えると、専門性に欠ける文系初心者プログラマに未来は殆ど無いと言っていい。 ある程度技術を身につけてiPhoneアプリを作る会社を作って一攫千金と考える人もいるかも知れないが、こちらの価格競争はもっと激しい上に10万ダウンロード以上はないと採算をとるのは厳しいという話もある。さらに、iPhoneアプリ市場はAppleの計らいによって参入障壁が非常に低く、売れるアプリが3ヶ月後には全く売れないといった現象も珍しくないため(むしろ普通)、コンスタントに売れるアプリを作成し続ける必要があるのだ。

価格競争に陥らないプログラマになるためには自ら設計ができるのはもちろんのこと経営的な知識や他国のプログラマに支持するための英語力が必須になる。もし、以上の条件が何一つクリアしてないとなると今からスタートしないと間に合わない時期まできている。熟す自身がない若者はむしろ転職したほうがいいのではないかと思うほどである。その基礎的な知識を学ぶためには先ほど上げた中島聡氏のメルマガはかなり有益なので、ぜひ購読してはどうだろうか。

週刊 life is beautiful

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ドラッグ&ドロップでiPhone・iPad・Androidのゲームアプリが簡単に作れてしまうGameSaladが凄すぎる

  
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iPhoneアプリをつくりたいけどプログラミングなんて分からないという人は結構いると思う。昔はiPhoneアプリといえばObjective-cを習得しないと無理だったのだが、最近はHTML5とJavaScriptで実装できるようになったり、便利なツールが出てきたりしてアプリ制作の敷居が下がってきている。それでもある程度プログラミング言語や仕組みを知っていないと作れない。作れたとしても頭で思い描いていたものよりも陳腐なものになってしまったり、ましてや”ゲーム”を作るとなるとさらに難しい。ただの計算アプリとかと違ってゲームには複雑な動きを実現するコードを書く必要があるからだ。僕も端くれのプログラマだが、ゲームを作るのは畑違いなので一生ゲームアプリを作ることはないだろうと考えていた。

そんな常識を覆す素晴らしいソフトがあることを最近知った。

それがGameSaladである。(ダウンロード画面はこちら



このソフトの特徴は以下のとおりである。
プログラミングが一切不要!言語を覚える必要なし。
・大半がドラッグ&ドロップだけで操作が可能
無料ソフトである!(有償版もあり)
iPhone、iPad等のiOSはもちろん、AndroidやWeb上でも使用できるアプリが作れる!


以下、インストールから実際に作るまでの流れを簡単に紹介。

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まず、GameSaladのサイトにいきます。"Download the Free App"のボタンの押したらChromeでしたらすぐダウンロードが開始されます。あとは流れに沿ってインストールしていけばオッケー。



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早速つくっていきましょう。GameSaladはすでに完成してあるテンプレートが沢山あるので一から作る必要なし。好きなゲームを自分用にカスタマイズできます。好みのテンプレートを選んで”Edit in GameSalad Creator”をクリック。



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ScenesタブでInitial Sceneを開きます



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すると以下の画面が出てきます。この画面が、主にゲームを作る画面です。Behaviorsでゲームの動きを選んで画面上にドラッグ&ドロップするだけでオッケー。Actorsの中にあるものを使って障害物も簡単に作れます。



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後はPreviewボタンをクリックして実際にゲームを動かして確認するだけ

ほんと簡単すぎてやばいです。色んなBehaviorsを組み合わせることによって複雑なゲームも作れるのがいいですね。以下がGameSaladの操作動画。



日本ではまだあまり知られていないソフトのようで、ネット上に日本語の情報が充実していないのが少し難ですが、これでどんなプログラミング素人でもアングリーバードやスーパーマリオのようなゲームが簡単に作れてしまいます。僕ももう少し遊んで作ったものを紹介したいと思います。

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リハビリのためのミニ書評

  
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最近全く書評でのブログ更新がないと気づいた今日この頃。もう3ヶ月くらい書いてないんだなと。

せっかく数週間前に成毛眞さんの講演に参加して書評への熱を上げたというのにどうしたものかと考えていたら、どうも最近”書評向き”の本に出会ってないという結論に達しました。

まあそれでも毎月ほそぼそと20冊くらい読んでいたので、リハビリを兼ねて書評ではなくミニ紹介という形で書いていきたいと思います。 

ゼロから始める都市型狩猟採集生活
坂口 恭平
太田出版
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タイトルだけでは「?」となってしまいますが、要は「家なし金なし」で東京で生活するための方法が書かれています。著者も実際にホームレスを体験してみたりと実にユニークな本です。ちなみにエリートホームレスは平均的な新卒のサラリーマンよりも良い収入があるらしい。その詳細は本書で。




今さら感と自己啓発感が漂う本書ですが、ホリエモンが情報収集の極意について語ってる数ページを読むだけでも価値があると思います。ホリエモン曰く「情報収集は砂金採り」だと。勝間さんとホリエモンの対談ではなく田原さんが仲介に入ることで読者が二人に聞きたい内容が聞き出されていて、非常にいい本になっています。



ディーラーをやっつけろ! (ウィザードブックシリーズ (109))
エドワード・O・ソープ
パンローリング
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まだ読了してませんが、カードゲームのブラックジャックについて書かれた本。これでカウントという手法を覚えて友達と賭けでもしたいと思います。
ブラックジャックの魅力はこちらの映画を参考に。

ラスベガスをぶっつぶせ [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2008-10-22)
売り上げランキング: 33958




E=mc2 世界一有名な方程式の「伝記」
ディヴィッド・ボダニス
早川書房
売り上げランキング: 327939

あまりにも有名な公式ですが、その意味を理解してる人は少ないはず。本書はこの方程式にスポットライトを当てて、E・=・m・c・2についてそれぞれ個別に解説をしています。数学音痴の僕でも理解できたので、文系だけど相対性理論の上澄みだけ知りたいという方はぜひ。

実力評価を恐れる日本の社会人

  
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元ネタはこちら。
 ○○できないやつは、△△できない ←嘘

フレックスタイム制を否定したり、社員の勤怠状況やマナーに異常に反応する会社は、社員一人ひとりの貢献度(売上)がわかりにくい会社ほど多いのではないだろうか。

端的に言うと、元ネタの記事のような会社は全体の雰囲気として、実力で評価されるのを恐れているのではないだろうか。

もちろん僕自身も遅刻はあまり褒められるものではないと思っている。しかし、遅刻とは相手があってのものなので、ただ単に思考停止した頭で作られた社内規則の”9時までに出社”というルールに対しての遅刻ははっきりいってなんの問題もない。これは仕事の内容にもよるだろうが、大半の人は打ち合わせ以外の理由で朝9時に会社にいなくてはいけない理由などない。

話を戻そう。

勤怠やマナーをみんなで守りましょう的な雰囲気やそれを賛美する傾向は学校生活から刷り込められる。小学校の通信簿には生活態度で評価される欄があったり、高校になっても成績はテストの点のみで評価すればいいものの「授業態度」や「宿題の提出有無」のような実力とはまるで関係ないものまで評価対象に含まれてしまっている(授業妨害をするのは良くないが、授業を聞かずに本を読んでたりするのはなんの問題もないはずだ)。

そもそも、学校の勉強に関していうと先生の言ったことを一度で理解して、少ない時間で効率よく成果を挙げるのが理想である。そう考えると宿題をせずにしっかりとテストで点数をとるのは褒められるべきことで、宿題したのにまったくテストの点数に結びついてないのはむしろ最悪である。そういう評価方法があるために、頭は悪いけど真面目な連中は「頑張れば周りから評価してもらえる」というとんでもない勘違いを起こしてしまう。 

その勘違いは社会人になっても続いてしまうのである。勤怠やマナーなどの稼ぐ能力とは全く必要のない分野でお互いを評価し合うことで、稼げない自分を正当化しているのだ。さらに拍車を掛けるように世の中に出回っている自己啓発本で、誰でもできるような稼ぐ能力とはなんの関係もないことを大事だと説明するものだから目も当てられない。

以前のエントリーにも書いたが、日本の多くの企業はこういった「時間で働く」「規律を守る」というブルーカラー的な発想から抜け出さない限りは、先進衰退国への道は免れないだろう。

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最近のTPPの盛り上がりに関して思うこと

  
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最近、野田首相がTPP参加に意欲を見せたことによって再びTPPの議論が盛んに行われています。僕自身はTPP参加に対しては賛成で、日本が参加しない意味はほとんど無いと思っていますが、それ以上に「そんなに議論すること?」と疑問に思っています。

そもそもアメリカはTPPに対してそんなに利益がないと思っているので積極的ではありませんし、どこの国を見てもこんなに議論している国はない(果たして本当に議論しているかはさておき)。日本で議論の中心になっているのは主に農業に関することであるが、これは池田信夫氏も言っているとおり、GDPの1%程度の農業を保護してもあまり意味が無いし、米以外に関してはむしろメリットのほうが大きい。

しかし、はてブのホッテントリに上がってきたり、テレビで報道されるもののほとんどがネガティブなものである。その過激っぷりといったらLNT仮説の真意も知らない馬鹿なホットスポット報道に勝るとも劣らない。

目にする機会が多いメディアがネガティブキャンペーンばかりやっているので、世論は反対多数だと思っていたのだが、産経ニュースによると「参加した方がよい」(38・7%)「参加しない方がよい」(36・1%)とほぼ同じになっている。(参照

ポジティブな報道は一部のネットでしか見受けられなかったので、この結果は少し意外であると同時に、中間的な報道をしていたらおそらく賛成多数であっただろうというのに同等の水準にまでもってこれるマスコミの力に驚かされる。

先程も挙げられた放射線のホットスポットに関する報道と同じように、一部の極端な考えの人の声が大きくなってきているように感じる。人は物事に関してリスクを取ることを嫌うので、放射能にしてもTPPにしても「最悪の場合どうなってしまうのか」とう情報を求める。そうすると、ネガティブキャンペーンをやるほうが視聴率やPVを稼げるのでみんなこぞってやってしまう。また、ブログやTwitterの浸透で個人メディアが発達したおかげで、武田邦彦氏に代表されるようにテレビで人気のでた御用達学者がとんでも系の話を連発してしまうのでもうどうしようもない。

一部の人達は科学的に正しい情報をもった人にアクセスしてブログ、Twitterや他のSNSで議論したり情報を収集したりできるが、多くの人達はそういう人達の名前も知らなければアクセスの方法も知らないだろう。

突き詰めて考えれば、経済学者、ブロガー、御用達学者、マスコミのどれが正しくてどれが正しくないということはない。ただ、子どもが道路で遊ぶのと公園で遊ぶのではどちらの方が危険が少ないかという話は可能である。もちろんどちらにも危険因子があって、公園で遊ぶことによるリスクをあげようと思えば枚挙に暇がない。必要なのは物事を俯瞰的に見て最終的にどちらのリスクをとるかということである。

社会生活においてフリーランチはないのだから、必要なことはまず自分自身が道路で遊ぶリスクを知り、公園で遊ぶことでリスクを回避できることを学ぶことである。そのまず第一歩として、以下の本を読むことをお勧めしたい。




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