少し変わった本を読んだので紹介。
~の文化史(誌)シリーズはいくつか読んだことがあるのだが、本書がその中でももっともユニークであった。柑橘類という少々マニアックな分野を扱っているのにもかかわらず、内容は決して敬遠するものではない。書中に書かれているいくつかの柑橘類を使ったレシピはどれも試してみたいものばかりだ。本の構造としては珍しく、ど真ん中にカラーページ(写真)を使っている点についても遊び心があるではないか。

以前は朝食にフレッシュなオレンジジュースを飲めるのは富裕層だけであった。話が少し変わってしまうが、今では昔の富裕層がいくらお金を積んでもできないような体験が格安で楽しめる。若者は将来激しい現在の社会保障のツケを抱えて生きていかなければならないのは事実だが、よりよい生活を遅れることは間違いない事実であり、希望を持つべきだとも、本書のおかげで少し感じることが出来た。