ギリシャを発端としてスペイン・
イタリアまで波及している欧州危機ですが、僕は数年以内にいずれかまたは複数の国家が破綻すると考えています。

ギリシャやスペイン国民は次々と預金を銀行から引き出す取り付けを行っているようですが、その行き先はゴールドでも他通貨でもなくタンス預金になっています。ギリシャ国内からの預金引出額が14日までに7億ユーロ(約710億円)に達したとも言われています。

これは自国の銀行に対する不信感であってユーロに対しての不信感ではないということの現れになっています。

どういうことかというと、破綻しかけている国家の国民にとって現在所持しているユーロは安全資産になるからです。

現在日本円に対してユーロ安が続いていますが、ユーロ高になるシナリオとして考えられるのはユーロに加盟している国の財務状況が安定化した場合ということになります。

そうなると破綻しそうな国の国民は、自国がEUから見放される前にすべての資産を返済できなくなる可能性がある自国の銀行から引き上げます。そして破綻しなければそれはそれで良しとして、破綻しユーロからの離脱を余儀なくされればそれだけでユーロは以前よりも安全資産になるのでもっているだけで資産価値が高まるという理屈があります。

つまりどちらに転ぼうと、自国の銀行から預金をすべて引き出すというのが最適解になり、その結果、国の破綻はますます現実味を帯びるということになります。

他のEU国が援助しているのは破綻した国を除外するための法律が確立していないからであって、そういった法律が一度できてしまうと、ギリシャ・スペイン・イタリアと次々と精算していく可能性もあるかと思います。

これは破綻国とドイツ・フランス等の安全国の戦いになるでしょう。

そういった意味では新しいフランス大統領であるオランド氏とドイツのメルケル首相が先日、初会談したのですが、二人の政策動向に今後も目が話せません。