”クラウド”という言葉自体がバズワード化している今日この頃。実際、クラウドと検索してみると様々な概念が出てきて、言葉の定義をすることが困難である。なので、ここで”クラウド”という言葉を使うときは、「ネット上のサーバーやソフトウェアなどを手元の端末で使えるサービス」として定義しておく。
IT企業の立場からクラウドを考えるとき、二つの異なる側面がある。ひとつはSaaSといわれるサービスを提供するベンダーとしての側面。ふたつめはGoogleAppsのようなサービスを社内インフラとして活用するユーザとしての側面である。
まさに本書の中でも“クラウドサービスでBtoBとBtoCを区別せよ”という章がある。ふたつめとして挙げたインフラを活用する側面はある意味、企業すらもCとする考え方だ。いま、クラウドを推し進めているのは仮想化のような技術面だけではない。もっとも重要なのは端末の変化である。スマートフォンといわれるようなiphoneやタブレット端末のipadに代表されるように、小型で使い勝手のいいワイヤレスの端末がいつでも手軽にネットに接続出来る環境を実現している。持ち運びやすさとアクセスまでのタイムラグが今後の端末には重要要素である。
少し前までは1人に1台はPCといわれていたかもしれないが、時代は1人に1台ワイヤレスの小型端末に変わるだろう。実際、PCの活用手段は多くの人はネット閲覧である。それに加え、クラウドサービスの発達により、ネット上で文章を作成や保存が出来る。アプリをダウンロードすれば画像加工だってプレゼン資料だって製作可能だ。つまり、PCという形態はもはや邪魔と言っても過言ではない。仕事ですらタブレット端末で済んでしまう。しかし、IT企業は仕事上、PCのスペックが必要だし、クラウド上に顧客のデータを保存するのはセキュリティ面で不安が残る。データを暗号化して、クラウド上に分散して管理するといった技術が発達したとしても世間的には最後までデータセンターやサーバーといったインフラを持つことになるだろう。IT企業であるが故に移行が遅れるという一種のジレンマが生じてしまう。
しかし、先程挙げたSaaSを提供するベンダーとしての役割を果たすためには、サービスのクラウド化・端末の小型化を意識するという流れは無視できない。また、クラウドサービスは個人でも企業でも格安で利用可能なので、高価でオーバースペックなアプリケーションは淘汰される可能性が高い。現在ではアプリケーション自体、個人でも作れる環境にある。そうすると、googleのような全世界のネットワークサービスを提供する巨大企業と、ニッチにサービスに対応出来る個人や中小企業の二極化になる可能性が高い。インフラ設備の不要やこのような二極化はオフィスを持たずにブログやtwitterで営業してサービスを提供する個人企業が増えることが予測される。そういった生き方が本書でいうような”クール革命”をもたらす原点になるだろう。
本書でも書かれている通り、日本企業はイノベーションが不得意であると言われている。ここで言うイノベーションとは持続的イノベーションではなく、破壊的イノベーションを指す。持続的イノベーションとは、日本の携帯のようにどんどん性能が良くなっていくようなものである。破壊的イノベーションは、既存のもので新しい価値観を生むようなものである。iphoneやipadはその典型だ。タッチパネルを装備してPCとは違う新たなガジェット感を出すことにより成功した。破壊的イノベーションは市場がないので、市場予測もできず、ギャンブル的要素が強い。破壊的イノベーションが起こりにくい理由として日本人の性格といった抽象的なものではなく、競争や参入しやすい土壌が整っていないからだと私は思う。ここではその打開策の提案は割愛させてもらうが、もっと政治主導ではなく市場主導の環境が必要なのは言うまでもない。
つまり、今起こっているクラウドの技術革新や端末の変化は本書で紹介されているような知のグローバリゼーションやライフスタイルの変化を起こす可能性が非常に高い。規模や地域による既得権が崩れることで起こる世界のフラット化に対応することが、クラウド時代を生き抜くポイントだと本書を読んで感じた。
梱包のプチプチも二重三重で、商品もランク以上かと思うくらい綺麗でした。
また利用したいお店です。ありがとうございました。
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