アインシュタインが秘書よりもタイピングがうまくても、彼がタイピングをしてはいけない。
非常に有名な言葉であるが、この言葉が語っている比較優位について少し整理したいと思う。
例えば小国が労働者一人当たりパソコンを1単位、ワインを3単位生産できるとする。
大国が労働者一人当たりパソコンを10単位、ワインを20単位生産できるとする。
大国はパソコンもワインも生産性が小国よりも高い。つまり、絶対優位の状況である。
こうみると小国は大国に対して競争力がないように思える。
それは違うのである。
小国はパソコン生産において比較優位なのである。
なぜなら小国はパソコン1単位とワイン3単位が等価。
大国はパソコン1単位とワイン2単位が等価。
つまり小国のほうがパソコンを格安に作れるのだ。
比較優位は他国との差ではなく、国内における他の財との生産費の比によるものである。
輸出競争力を決めるのは絶対優位ではなく比較優位だから中国のように生産性の低い国が日本に輸出できるわけである。
参考文献
「希望を捨てる勇気」池田信夫