ITコンサルジャンキー

ITコンサルが日々感じたことをネタにしたりしてます

2010年10月

新卒採用開始時期は早いほど良いことの理由。

  
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先日、ネットで大学生の就職活動についての話が盛り上がっていた。 新卒採用の自由化は学校教育を破壊する 井上晃宏 「ゆとり」学生諸君、目を覚ませ! - 長井利尚 その中で最も議論の対象になっていたのが、年々早まる就職活動時期についてである。今の大学生は大学に入学してすぐに就職のことを考えろ、と親・先輩に促される。そして、3年の春過ぎには本格的に就職活動を始める。以前は、企業の間で就職活動開始時期について決まりがあったが、それが撤廃されてからは年々時期が早まっている。そもそも、企業の採用時期が重なってしまうと、受けれる企業数にも限りがあるので、あまり効率的とは言えない。面接では、多くの学生は、サークルの部長を名乗り、思ってもいない会社への想いを語り、コミュニケーション能力と称した雑談力に磨きをかけていく。そうして、なんとか1社の内定が決まっていくのだ。 筆者自身も昨年に就職活動をしていたので最近の就活事情には詳しい方だ。周りには、内定先が決まらないので敢えて浪人をする就職浪人が何人もいた。昨年は就職氷河期と言われていたが、就職浪人生と現役生と内定を争う今年こそ大変だったのではないだろうかと思う。 大企業や外資系企業の人事は、少しでも優秀な学生を獲得しようとして、われさきと会社説明会を開き面接をして内定を出していく。学校側は学生の就職難を察しているので、平日に会社説明会や面接に出ることを許可しつつも、本来の勉強に使う時間を奪われていくことで授業が機能していない。 こういった様々な不均衡を正す為に、以前のように採用時期を規制したほうがいいという意見がある。しかし、こういった問題は政府や企業同士が規制しても、あまりうまく機能しない。若者の喫煙を法律的に禁止しているが、抑制効果がほとんどないと一緒で、パレート最適は”規制を無視して早めに採用活動を行う”に落ち着いてしまうからである。 そこで筆者が考えた最適の就職活動方法は、大学入学してすぐに就職活動できる環境にすることである。 「大学は遊ぶところ」「就職なんてどっか適当に受かるだろう」と考えている学生は、ほとんどの大学生活を時間の浪費に使い、面接に落ち続けることで、自分の無力さに気づき始める。もう少し早く、自分の社会での無力さに気付いていたら大学での過ごし方も変わってきたのにと思う。そうならないためにも一刻も早く、自分の生かし方を見つけたほうが良い。そして、1年生であっても採用されれば就職できるようにすればよい。もちろん学校は中退扱いではなく、休学扱いだ。企業側は好きな時期に採用活動ができるし、数カ月働いてもらって、気に入らなければクビにすればよい。これによって、企業と学生側のミスマッチを防げるし、学生側も安心して大学に戻ることができる。 学生は4年間じっくり勉強して就職活動をすることもできるし、とりあえず就活をしてみて、やりたいことを見つけていくということも可能だ。 この策は根本的な、雇用の流動性を増やすことには寄与しないが、正社員を採用するのに億劫になっている企業にとっても、約半年くらいの就活期間で一生働く場所を決めなければならないという学生のプレッシャーからも開放できる。新人教育のコストがかかると思う企業は従来通りの4年に上がる前の3年のみの募集をすればよい。つまり、大学生の採用時期を市場が決めるということだ。株価も物の値段も市場が決定し、適正に保たれている。採用時期もこれ以上に最適に調整していくものはない。

電子書籍に感じる違和感

  
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筆者は、電子書籍という言葉を聞くたびにどこかに違和感を感じてきた。 それでもiphoneアプリで小飼弾ホリエモンの本を読んだり、ブックスキャンのプレミアム会員になって所有している多くの本をPDF化してipadで読んでいる。世間一般的には、電子書籍の波に乗っている部類に属するだろう。 しかし、それらは目にする活字のパーセンテージとしては、決して多くはない。大半を占めるのが普通の本とRSSリーダで読むWebブラウザ上のものである。 現在の日本において電子書籍は普通の本とWebブラウザ上の活字の間に位置する存在のようにも思えるが、実際は、”どちらの中間にも収まらない微妙な存在”であると思っている。なぜならアメリカのように電子書籍の流通が整備されているわけでもない。加えて、積極的に電子書籍を活用しているのが、大量の本を所有して不動産コストが嵩んでいる一部の知識層だけである。 一般的な人は、ハードである電子書籍リーダーのコストとソフトである書籍の読書量が見合わない関係にあると言える。本を月に10冊読む人は少ないかもしれないが、それに相当する活字量をWebブラウザ上のニュースやブログ、Twitterで読む人となると結構いるのではないだろうか。 これらのことを考えると、わざわざ別のリーダーを必要とした電子書籍よりも、メルマガに近い活字情報の方が日本では流行る。磯崎さんのメルマガはメールの中にurlが書かれていて、そこにアクセスして読むと言うスタイルである。 Webブラウザ上で読めば、わざわざディスプレイ上で、本物の本のようにページめくりする手間も省ける。(ページめくりこそが電子書籍にとっては胆なのだけれども) 電子書籍の規格を統一にするより、このような形で活字ビジネスを定着させなければ、音楽のような違法ダウンロードが一般化され、書籍業界は大きな打撃を受けるかもしれない。

失われた10年の真因は何か

  
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失われた10年の真因は何か (エコノミックスシリーズ)
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様々な経済学者の主張とその主張が欠けている部分をこれ1冊で網羅できる。失われた10年が15年20年と長引いていく(る)と言われているが、僕の意見としては”労働環境の硬直性”がもっともな原因だと思われる。企業に一度入社すると一生をそこで過ごす人が多い。労働年数を40年とすると、40年間も継続的に生産性を維持できる分野は殆ど無い。大事なのは企業の新陳代謝であって、ゾンビ企業を延命し、そこで働く人を保護するような政策は毒だ。 本書は決して入門書ではないが、経済学を勝間和代や池上彰などの偏った人物からしか学んでいない人には必読書だと言える。

地球最後の日のための種子 書評

  
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地球最後の日のための種子 成毛さんが絶賛していたので、読んでみました。 地球最後の日のための種子ー成毛眞ブログ この中で、成毛さんは 本年、最高の科学読み物にして伝記になると思う。それでも疑うのであれば、本屋で14ページ足らずのプロローグを立ち読みするべきだ。 と言っている。 まさしくその通りなのだが、さらに大口を叩いてみると、表紙を開いただけでも十分価値がある。 そこに書かれてある一節 北極圏の凍土の地下にある種子銀行、「地球最後の日のための貯蔵庫」。 そこには三百万種の作物の種子が保存されている。 植物の遺伝情報を保護し、世界が滅びても再び農業が再生できるように。 なんとも知的好奇心をくすぐる一節である。世界にこのような施設が存在してるなんて。 まるで映画の中のような世界である。思わず「2012 」を思い出してしまった。 ハリウッド映画は、しょっちゅう隕石がぶつかったり地球滅亡の危機にさらされているが、この種子銀行がそういった事態の時、どれほど感謝されるか計り知れない。
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