ITコンサルジャンキー

ITコンサルが日々感じたことをネタにしたりしてます

2010年11月

ヒトは食べられて進化した

  
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人は動物界で強い存在か?この問いに明確に答えることはできない。
なぜなら、人が地球を支配し、他の動物とは明らかに違う(と思っている)知的活動が可能な一方で、動物と距離の近い地域で生活している人々は、常に捕食されるリスクを意識しているからである。
人は実に様々な種類の動物から捕食する対象リストに上がっている。そして、それに抵抗する術を身体的なスペックの中に持ち合わせていない。ただひとつ、脳を除けば。
まさにヒトは食べられる生きものだからこそ、進化したのだ。
動物の進化する機能は、”捕食されない”もしくは、”種を絶滅させない”ために備わっている。

このことを前提に考えてみると、人が捕食者のあふれる自然界を壊し続けているのは宿命のような気にさえなってくる。それも言わば自然界のバランスなのではなかろうか。このまま自然を壊し続けると、人の生活にも様々な弊害が出てくる。変化してしまった環境の中で人という動物が適正量に減少することもあるだろうし、自然を再生するという行動を選択するかもしれない(現在は後者の傾向が強い)。人が自然を壊す事は不可能で、その絶妙なバランスの中でしか存在できないと考えると、自然の偉大さを改めて認識させられる。

現在、「自衛隊は暴力装置」といった発言が、波紋を呼んでいる。自衛隊は暴力という権力を国民から集めた組織であるし、発言は事実を捉えていると思う。高貴な理由をつけて暴力装置という事実を否定するのは愚の骨頂だ。動物である以上、暴力は生きるすべであり、暴力から身を守るために暴力を必要とすることがある。ヒトは人である前に動物であるということを本書を読んで勉強してほしい。




信じれば、神だって悪魔だって存在する

  
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信じるということは、自分のなかに何かを存在させることです。神を信じている人は、本当にその人の中に神が存在しています。悪魔だって同様です。大事なのは自分が”何を信じ、何を存在させるか”です。それは、コントロール不可能のように見え、とてつもなく大変な作業のように思えますが、思考のトレーニングによって、以前よりも容易になっていきます。
日本人の幸福度が他国よりも低いということが問題になって、首相が「最小不幸社会」という意味不明なものを実現すると言い出しました(意味不明というのは、言葉の意味ではなくなぜそんなことを言うかが理解できないということです)。そもそも日本人は”不幸じゃなかったら幸せ”なのではなく、”他の人よりも金持ちでなければ不幸”という考えなので、最小不幸社会を実現したところで、幸福度が上がるとは考えにくい。そして、金持ちになるためには、仕事にすがるしかなく、その仕事のイメージが”サラリーマン”という働き方に凝り固まっている。また、仕事が無くなれば、社会の負け組になってしまうので、逆説のように思えるが、社会に通用する人間ではなく、会社で偉くなるための努力をしてしまい、リストラされたときは救いようがない。
ちきりんさんがブログで、この構造を絵にして紹介していました。
(以下、ちきりんさんのブログより拝借)


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多くの人はA図のような考え方をしていると思います。すべての根底に仕事があるため、仕事を持っていない人をけなし、仕事をせずに自分よりも豊かな生活を送っている人を妬み排除しようとします。お金と仕事に対する努力は完全にリンクするものではないので、能力がある人にとっては生きにくい世の中です。
僕が目指しているのはB図です。柱がひとつなくなっても一番上が崩れることがないので、修復も可能ですし、心理的な負担も少ないです。
A図とB図の描いている人の違いは、その人のライフスタイルよりも、”考え方”だと思います。要は、考え信じることで、存在させることができるのではないでしょうか。これは、自明なので明確な理屈を言うことができませんが、考え方を変えたいけど変えれないと感じてしまう人は、信じ存在させるまで自分を騙すことが必要だと思います。例えばネットで自分とは違う名前で、なりたい人格で振舞い、発言することで、徐々に変わったりできることが心理学的な実験で証明されています(僕はしませんが)。
行き過ぎたポジティブ思考は成長の停滞でしかありませんが、必要なときに必要なだけ思考をコントロールできる術を持っていることが大事なのではないでしょうか。

多読の一日 Me2.0からフィレンツェ・ミステリーガイドまで

  
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昨日は久々の連休だったので積読していた本たちを読んだり、紅葉を見にいったりして
過ごしました。紅葉は昭和記念公園に見に行きました。去年までは、京都に住んでいたので嵐山の紅葉を楽しんでいたのですが、昭和記念公園のイチョウの紅葉も負けず劣らず綺麗でした。


Web2.0で有名な梅田望夫さんの、シリコンバレーでの経験について書かれた本。結構古い本ですが、シリコンバレーの生態系を垣間見ることができます。僕もいつかは訪れてみたいです。つい先日読んだ「金融資本主義を越えて」とセットで読むと、なおいいと思いました。
もとゴールドマンサックスに勤めていた著者が、多くの社長やオフィスを訪ねているうちに気付いた、成功する会社の傾向を書いた本。簡潔に書かれているので気軽に読めると思います。個人投資家でも役に立つ情報がありますので、ぜひ読んでみてください。
2005年に刊行された本名ので若干古い感じがします。この手の本の中では、決して入門書ではないと思いました。ある程度の前提知識があると面白いかもしれませんね。
ローマ・ミステリーガイドの前著。フィレンツェにもローマにも行ったことのない僕にはイメージが沸きにくかったのも事実ですが、美術好きにはたまらないのではないでしょうか。本ではなくBSとかで映像として流してくれたら絶対楽しいだろうな。Apple TVはこういったニッチな映像でも採算が取れるように変えてくれると思う。各国の景色や建物をフルハイビジョンで見るとほんと綺麗ですからね。映画コンテンツだけでなく、こういった映像もどんどん配信してほしい。< /td>
ブックオフで本を買って、アマゾンで売るということを繰り返して、400万円の借金を替えした人の話です。こういった「せどり」は、オークション等の仕組みを利用して儲けるネットビジネスの基本となる部分なので、参考になることも多いと思います。どんなビジネスでも当てはまりますが、大事なのは「格差」を利用することです。その中でも「情報格差」は一番有効です。誰でも、”他の人よりも詳しいこと”が一つはあるはずです。それを活用して「せどり」することがあらゆるビジネスの根底にあるものだと思います。

白紙でものを感じること

  
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大人になると、まっさらな状態で物事を見たり考えたりすることが困難になる。初めて聞く話に対しても、「それは~主義だね」とか、「あなたはそっち派か」等とカテゴリー分けしてしまう。自分に都合の悪いような話を聞けば、怒りだすし、信じきっているものに対しては、良いように解釈してしまう。子供はそのようなことがないし、全てを具体的に考える。そのため自由な発想が可能になっている。


大人の思考が悪いというつもりは毛頭ない。ただ、概念化ばかりして具体的に考える思考を停止することは”堕落”という言葉が正しいと僕は思う。大人になると初めての体験が少なくなる。仕事においては、今まで経験したことあることばかりで、違う方法でやることを探そうとしない。過去に学んだことを大切にして、過去にこつこつ貯めた貯金を大事にする。そうやって過去のストックで生き始めた瞬間、面白さもなくなる。物事が順調に進んでると感じ始めたら危ないかもしれない。順調に成長はないからである。


ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち 書評

  
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クオンツとは、高度な数学的手法を使って、市場を分析したり、投資戦略や金融商品を考案・開発する専門家のことをさす。この本は、読み物なので、難解な数学的な話は出てこない。「クオンツってどんな事をしているの?」 といったことを知りたい人には、オススメであるし、投資銀行に就職したいと思っている大学生にとっては夢が膨らむ話であるだろう。
株式投資も一般的になってきて、年率200%を稼ぎだす夢を抱いている人は多いだろう。しかし、株価はランダムウォークなので、確実に勝つ方法は存在しない。クオンツが導き出した答えだって、勝つ確率はコインゲームと同じかそれ以下である。
そんな夢と現実が交差する株式投資であるが、ここで僕が今まで読んだり観たりした中で、面白かったものをいくつか紹介します。 
 
経済系ブロガーの藤沢数希氏の本。投資の知識がない人でも理解しやすいように書かれていますし、投資を始める前に必ず知っておきたい前提知識がつまっています。

外資系投資銀行ってどんな業務をしているのかが物語として描かれています。分野は、トレーダーではなく企業買収を取り扱う人たちの話です。カジュアルにまとまっているので、就活生にもオススメです。

カウントという技術を使って、天才大学生がカジノのブラックジャックで大儲けする話です。ザクオンツの前半でもブラックジャックやルーレットといったギャンブルの話が出てきています。投資とは関係ありませんが、ギャンブルといった点で共通していますし、金儲けの夢を見れる映画です。貧乏学生が大金持ちになっていく姿が痛快でおもしろい映画です。
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