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2011年03月

犯罪不安社会 誰もが「不審者」? 浜井浩一 芹沢一也

  
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犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)

多くの人がTV等で毎日のように報じられる犯罪に関するニュースを見て、日本は物騒になったと感じているだろう。そう思ってしまっている人はマスコミによる洗脳の被害者である。実際は犯罪による傷害者数死亡者数は減っており、増えたのは犯罪の”認知件数”であるからだ。

昨今厳罰化が激しい飲酒運転も然りである。この現象は、モラルパニックから”鉄の四重奏”への変換である。モラルパニックとは、例えば飲酒運転による過失で死亡事故があった場合マスコミがこぞって他の飲酒運転の事故や検挙も報道して、それらしい専門家をテレビに出して警鐘を鳴らし社、会がパニックに陥ることである。今までも飲酒運転は存在していたが、マスコミの過熱報道によって世間一般に急激に認識が広がって社会不安が起こってしまう。この状態が長く続くと、一時のブームではなくなり恒久的な問題として扱われるようになる。これが”鉄の四重奏”と呼ばれる状況だ。

科学的な根拠や相対的なリスク把握をなしに”鉄の四重奏”に陥ってしまうのは大変危険である。誰もが犯罪に巻き込まれたくないと思うし、もし巻き込まれてしまったら加害者に怒りを覚えるのは当然のことである。場合によっては加害者に対して死刑を望む場合もあるだろう。そういった感情は個人レベルでは仕方がないことだし僕も共感を覚える。ただ、現行の法は相対的な判断基準を持って各々の刑罰を決めている。厳罰化が進むと言うことは刑罰の閾値を下げると言うことである。刑罰の閾値が下がり続けてしまうと、どんな小さな失敗でも”犯罪者”というレッテルを貼られ社会復帰が困難になる社会が出来上がってしまう。被害者感情だけで厳罰化を行うのは合成の誤謬を生んでしまうのだ。近年のマスコミの報道は、以前の加害者の生い立ちや性格を探っていくものから被害者がいかに可哀相かという感情を報道するものにシフトしてきている。そういった現状も厳罰化が進む一つの要因だろう。

僕はもっと犯罪を容認しろと言っているのではない。感情を優先して、きちんとした事実も把握せずに厳罰化を行うことは社会を消極的にしてしまい、最終的には厳罰化を望んだ人たちに影響が及んでしまう危険があると言っているのだ。

少し話が変わるかもしれないが、東海沖大地震が発生してから2週間たって今なお続く社会の”自粛”モードも被災者に対する感情からきている。しかし、本当に被災地や被災者の復興を望むのならば自粛モードを今すぐ取りやめるべきだ。資本主義社会は人やお金が循環することで成り立っている。それをみんなが自粛と称して控えてしまったらどうなるだろうか。一番困るのは多額の復興費を必要としている被災者の人たちなのだ。先日、あるイベント会社が自粛の煽りを受けて倒産してしまったという報道があった。このまま続けば飲食店などで潰れる店がもっと出てくるだろう。誰かを助けるには、自分がまず力を蓄えなければいけない。そのためには自粛をせずより一層経済の循環を促すことに効果がある。まずは東京の経済を立ち直らせて、個人レベル、企業レベル、国家レベルで経済的な力を蓄える必要があるのだ。自粛による経済縮小は、厳罰化に似ている部分がある。感情による行動を優先するのではなく、客観的な事実に基づいてどの方法がもっとも効率的かを考え行動するほうが結果的には望んだ結果になるのだ。

ほんとに停電が怖いのは夏

  
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東海地方太平洋沖地震の影響で、福島原子力発電所が大打撃を受けた。
原子力発電とは自然界にあるウランの中でもウラン235を4%程度まで圧縮したものを燃料として使用する。いわゆる核爆弾はウラン235を90%くらいまで圧縮するので、一部の人が騒いでるような大爆発が起こる可能性は極めて低い。建家が吹き飛んだ原因が水素爆発と言われているが、これはウランを詰めている燃料棒の素材がジルコニウムでできているからである。ジルコニウムには酸化作用があり、水で満たされた格納容器が燃料棒の高温で蒸発して(本来なら水は循環して蒸発することはないが電気が止まってしまったため)、その水蒸気中の酸素を吸収することによって水素が発生したと考えられる。水素は空気よりも軽いので上に上に昇っていき、なんらかの形で格納容器を飛び出して建屋の天井にたまって、水素爆発を起こしたというのが今考えられる自然流れだ。

水素爆発とは関係なく地震によって原発は止まってしまい、あまり報道されていないが多くの火力発電もストップしてしまった。日本では主に原子力発電・火力発電・水力発電で電力をまかなっている。

詳しくは以下のブログを
西陣に住んでいます

本日ようやく川崎にある東扇島火力発電所に復旧の目処がたったので、しばらくは計画停電無しで生活できるかも知れないが、問題はこれからやってくる夏である。夏は冬よりも多く電気を使う。例年どおり電気を使うと、現状の発電能力を超えてしまう。つまり夏のクソ暑い午後に東京が大停電に見舞われる可能性が高いのだ。毎年多くの人が熱中症で命を落としている。停電によってクーラーも使えない環境になってしまうと例年以上に熱中症で倒れてしまう人が増えるだろう。対策としてはサマータイム導入、超クールビズの推奨、深夜労働、関西移転等があげられる。

次回はこれらの方法や効果等を具体的に考えてみたい。

儲けたいなら科学なんじゃないの 堀江貴文 成毛眞

  
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ホリエモンと成毛さん という超豪華夢のコラボレーションといった感じの共著である。成毛さんがサイエンス好きであることはブログ  で知っていた。多読家であるので知識も相当あることは想像できた。
僕が驚いたのはホリエモンのサイエンス全般の知識量である。ホリエモンはロケット開発をしていて、そっち方面の知識は持っていることは何となく知っていたがTwitterやブログ、メルマガや書籍ではロケット以外のサイエンスの知識を垣間見たことが殆ど無かった。

多くの人がホリエモンのようになるべくホリエモンがフォローしている人をフォローしてビジネスについても勉強して最新のガジェットやアプリを使いこなしているが、なかなかホリエモンのようにはなれない。

その理由はまさに本書のタイトルにあるとおり科学の知識がないからではないだろうか。

最新科学は非常に複雑化している。それを理解し話ができるレベルになるには元素の特徴のようなベースとなる知識からそれを応用して考える知識まで幅広く必要だ。本書を見る限りホリエモンはロケット工学だけでなく生物学的なところから今話題の原発の知識までかなり深いレベルで理解しているのがわかる。

成毛さんがまえがきで、ドラッカーが流行っている今だからこそ逆張りで科学の知識をつけなさいとおっしゃっていた。まさに今、「儲けたければ科学なんじゃないの?」ということである。それはホリエモンや成毛さんが身を持って証明していることである。僕も今日からサイエンス漬けになることを誓った次第である。

原発事故のまとめ記事

  
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巷では、東京にも放射線が風に乗ってきて被爆してしまうといったことが言われている。たしかにそうかも知れないが、その量が人体に影響あるものなのかは甚だ疑問だ。そもそも今の原発の状態の何が問題で、漏れている放射能の半減期はどれくらいで、どのくらい浴びたら人体に影響があると正確に理解している人はどのくらいいるのだろうか。
ここで識者の情報を少しまとめてみよう。

MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説


この記事によると福島原発の構造は安全で、チェルノブイリのような事故が起こる可能性はないといった趣旨が書かれている。


これは大前研一氏による原発解説。僕もまだ全部は見ていないが、さすが伝説のコンサルタントだけあってよくまとまっている。一時間の動画は少しだるいが、少しでも理解を深めたい人は観たほうがいいだろう。ちなみに大前研一氏はMIT時代に放射性物質を飲んだことがあるらしいww

東京大学理学部物理学科長の早野氏のtogetter。専門家としていち早く正確な情報をツイートしていたのは大きな意味があった。twitter上ではテレビよりもましな情報が流れていたのは早野氏の功績と言えるだろう。

原発がどんなものか知ってほしい  

識者の情報漬けになって原発に楽観的になりすぎている人に対して頭を冷やす意味でもぜひ読んでもらいた記事。少し古い記事だが、当時の現場のリアルな声がある。原発は安全だというのは設計レベルの話であって、当時原発を造っていたのはド素人であった。現状がどうなっているのかはわからないが、少なくとも昔の原発は安全というのは机上の空論ということになる。また、原発のおかげで電力供給できている裏には多くの犠牲があったことも理解してほしい。
※追記 この文章は専門家からみて不可解な点が多く、反原発を煽るための文章の可能性がありますのでリンクをはずさせていただきました。すでに読んでしまった方々、非常に申し訳ございませんでした

これらの記事を読むだけでも大分原発についての知識が深まるだろう。今回の地震で顕著に現れたのはテレビのみで情報を得ていた人と、twitterやネットで情報を得ていた人たちの情報格差だ。twitter上では専門家のツイートに対して多くのリツイートがあり情報共有が早かった。また、電話やメールが繋がらない中、twitterは常に使うことが出来たのは大きな意味を持つと思う。

最後に、まだ余談を許さない状況でまた大きな地震がきたら電話が出来なくなることに対して大きな不安をいだいている人は多いだろう。もし、通話者同士がお互いiPhoneなら、ぜひ無料通話アプリviberをダウンロードしておくことをオススメする。僕はこのアプリのおかげで電話連絡が容易に取れていました。

詳しくはこちらを 

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日本人としての誇り

  
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一昨日の地震によって、東日本が壊滅状態になっている。未だ強い余震が続いて予断を許さない状況だ。僕の勤めているオフィスは12階にあるのだが、地震発生時はかなり揺れた。自宅は幸いにもエレベーターが止まって昇り降りが大変ということ以外は異常なしである。
被災地の方々は本当に心配だし、何もできない自分の無力さを痛感させられた。自分が何も出来ないときは、何かできるようになるまで力を蓄えて我慢することが必要だと今回の地震を通じて学んだ気がする。

節電をする。寄付をする。落ち着いたら献血をする。正確な情報をRTする。今出来ることはこれくらいしかないが他に自分にできることが出来たときは真っ先に行動に起こしたい。

Twitterのタイムラインは全く知らない人たちのツイートにも関わらず一体感があり、普段意識しない日本人の良さを実感した。助けあう人たちのことを知ると直接関係ない僕でも心が温まり日本人であることに誇りを感じる。もしかしたら、今回の地震がきっかけで日本がもう一度、一致団結して成長できるかもしれない。そのためには、一人ひとりが出来ること・出来ないことを自覚して行動することが求められる。みんなで頑張って、世界から賞賛される早さで被災地の方々を助け復興させようじゃないか。
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