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サバイバル 高城剛
以前は僕の中で高城剛氏のイメージといえば、”ハイパーメディアクリエイターという訳のわからん肩書きを持ってエリカさまと結婚したやり手の人”という世間一般と同様(?)の認識しか持っていなかった。 ところが先々月くらいだっただろうか。アナザースカイという番組で彼の出演している回を観てからすっかりファンになってしまったのだ。
僕は彼の徹底したノマド生活の追求ぶりに心底衝撃を受けたのだ。
ノマドというのはもともと「遊牧民」という意味で、現代では固定のオフィスを持たずにカフェ等でPCのみを持ち歩いて仕事をする人や、家を所有せず世界中を旅しながら生活する人のことを指す。
もともと人間の祖先は遊牧民スタイルで、環境の変化に応じて住む場所を変える生活をしていた。ところが農耕時代になってからは、土地に縛られ定住生活を送るようになった。結婚制度もその土地に縛り付けるために考案された制度である。
現代は、すでに土地に縛り付けられる要素がなくなっている。仕事環境もネットやケータイのようなインフラが整備されたおかげで工場勤務等を除けばどこでも働けるようになっている。技術的にはすでに在宅勤務やノマドスタイルで仕事が出来るような環境が整っているのにもかかわらず日本でそのような働き方があまり見られないのは、世間体を気にする民族性と、会社にいってなんとなく仕事をしてなんとなく残業していれば周りが頑張っていると錯覚するからである。
これからは自分の感覚でよりよい住む環境を模索しながら、どこでも仕事をできる高城剛氏のような人が求められるだろう。求められるという言葉はふさわしくないかもしれない。求められるのではなく、そのような生き方働き方をできる人しかクリエイティブな仕事に就けないといった方が正しい。だからといって、そうじゃない人が生きていけない世の中ではない。食料はありあまり、すでに私たちの世界は働かなくとも生きて行けるようになっているのである。
詳しくはこちらを
働かざるもの、飢えるべからず。
未来改造のススメ 脱「お金」時代の幸福論
少し話がそれてしまった。
本書は、ノマド生活だけでなく「旅」をテーマに書かれている本である。本書によると、日本の旅行本は世界的に見てもクソであり、日本人は先進国きっての旅行後進国だそうだ。まず、日本の旅行本だが、広告が多すぎる。広告が多いということはその広告主にとって利益のある情報しか載せなくなる。そして、旅行する人の様々な金銭的階級にぴったり当てはまるものがなく、広く浅い情報しか手に入れられなくなっている。
これらの問題を克服するためには、ネットを活用する・海外の旅行本を買う・自分で旅行本を作るといったことが必要である。そういった、日本の旅行後進国から抜け出す情報が本書には溢れている。
高城氏はいつも優雅な旅行をしていると思っていたが、それは大きな間違いであった。年に数日は野宿をしたり空港で寝泊まりしたり、格安航空券を利用したりしている旅の達人であったのだ。そして、そういった生活を楽しむすべを身につけている。それらもぜひ本所を読んで確かめて欲しい。
読んだあとに、「自分なりの旅行」を行きたくなること必須である。
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