ITコンサルジャンキー

ITコンサルが日々感じたことをネタにしたりしてます

2011年05月

定住時代の終焉。ハイパーノマドになるためのバイブル本「サバイバル」高城剛 書評

  
このエントリーをはてなブックマークに追加 
Add to Google
Subscribe with livedoor Reader
My Yahoo!に追加
はてなアンテナ登録



このエントリーをはてなブックマークに追加

サバイバル 高城剛

以前は僕の中で高城剛氏のイメージといえば、”ハイパーメディアクリエイターという訳のわからん肩書きを持ってエリカさまと結婚したやり手の人”という世間一般と同様(?)の認識しか持っていなかった。 ところが先々月くらいだっただろうか。アナザースカイという番組で彼の出演している回を観てからすっかりファンになってしまったのだ。

僕は彼の徹底したノマド生活の追求ぶりに心底衝撃を受けたのだ。 

ノマドというのはもともと「遊牧民」という意味で、現代では固定のオフィスを持たずにカフェ等でPCのみを持ち歩いて仕事をする人や、家を所有せず世界中を旅しながら生活する人のことを指す。

もともと人間の祖先は遊牧民スタイルで、環境の変化に応じて住む場所を変える生活をしていた。ところが農耕時代になってからは、土地に縛られ定住生活を送るようになった。結婚制度もその土地に縛り付けるために考案された制度である。

現代は、すでに土地に縛り付けられる要素がなくなっている。仕事環境もネットやケータイのようなインフラが整備されたおかげで工場勤務等を除けばどこでも働けるようになっている。技術的にはすでに在宅勤務やノマドスタイルで仕事が出来るような環境が整っているのにもかかわらず日本でそのような働き方があまり見られないのは、世間体を気にする民族性と、会社にいってなんとなく仕事をしてなんとなく残業していれば周りが頑張っていると錯覚するからである。

これからは自分の感覚でよりよい住む環境を模索しながら、どこでも仕事をできる高城剛氏のような人が求められるだろう。求められるという言葉はふさわしくないかもしれない。求められるのではなく、そのような生き方働き方をできる人しかクリエイティブな仕事に就けないといった方が正しい。だからといって、そうじゃない人が生きていけない世の中ではない。食料はありあまり、すでに私たちの世界は働かなくとも生きて行けるようになっているのである。
詳しくはこちらを
働かざるもの、飢えるべからず。
未来改造のススメ 脱「お金」時代の幸福論


少し話がそれてしまった。
本書は、ノマド生活だけでなく「旅」をテーマに書かれている本である。本書によると、日本の旅行本は世界的に見てもクソであり、日本人は先進国きっての旅行後進国だそうだ。まず、日本の旅行本だが、広告が多すぎる。広告が多いということはその広告主にとって利益のある情報しか載せなくなる。そして、旅行する人の様々な金銭的階級にぴったり当てはまるものがなく、広く浅い情報しか手に入れられなくなっている。

これらの問題を克服するためには、ネットを活用する・海外の旅行本を買う・自分で旅行本を作るといったことが必要である。そういった、日本の旅行後進国から抜け出す情報が本書には溢れている。

高城氏はいつも優雅な旅行をしていると思っていたが、それは大きな間違いであった。年に数日は野宿をしたり空港で寝泊まりしたり、格安航空券を利用したりしている旅の達人であったのだ。そして、そういった生活を楽しむすべを身につけている。それらもぜひ本所を読んで確かめて欲しい。

読んだあとに、「自分なりの旅行」を行きたくなること必須である。


Add to Google
Subscribe with livedoor Reader
My Yahoo!に追加
はてなアンテナ登録



このエントリーをはてなブックマークに追加

価格の1000倍は価値がある 伝説コンサルの戦略論「大前研一戦略論」 書評

  
このエントリーをはてなブックマークに追加 
Add to Google
Subscribe with livedoor Reader
My Yahoo!に追加
はてなアンテナ登録




本の価格の1000倍は価値があると思って良いだろう。なぜなら大前氏は海外で講演をするときの1本のギャラは旅費・食事代を含めずに500万円である。本書の価格は1800円。しかも本書の内容は、あまり世界の情勢に左右されづらい言わば普遍的な企業戦略のコア部分の解説なので、実際の価値としては本代の1000倍はくだらないだろう。


起業して成功した人の話を聴くと、その意思決定が予言に近いものであることに驚かされることが多い。後になってみると、それぞれの意思決定は非常に論理的である。しかし、意思決定をする本人は、その当時あまり詳しい分析を行っているわけではない。ただ未来についていくつかの想定をし、不確実なことが多くても次々と正しい意思決定をすることに成功している。ということは、起業家は単に賭けに勝っただけなのだろうか。
 とんでもない。経営の意思決定は、たとえばルーレットのような確率論とは根本的に異なるのだ。なるほどそのような意思決定では、分析に使える時間やお金は常に限られているため、不確実な要素に関して判断をしなければならないが、判断というものは合理的な推論に基づいて行うことが可能である。事実、先見力のある経営所の意思決定が一貫して成功している場合には、明確に区別できる順序を追ったパターンが存在している。具体的には、常に五つの条件を満たしていなければならない。この五段階のステップに従った起業家こそが、先見力のあるビジネしマンとして知られているのである。

五段階のステップの詳細は本書で確認してもらうとして、伝説のコンサルである著者のこの言葉を聞くだけで、十分価値のある本であることは火を見るよりも明らかである。






Add to Google
Subscribe with livedoor Reader
My Yahoo!に追加
はてなアンテナ登録




MacBookAirをいまさらながら買った感想

  
このエントリーをはてなブックマークに追加 
ちょうど先々週くらいに注文して、おととい我が家にやってきたMacBookAir。欲しいと言い続けていたものの、なかなか踏ん切りがつかなかった矢先、mainのDell機が故障。バッテリーがもともと壊れかけていたのでそれが原因だった模様。

まあそんなこんなで2日間くらいパソコンを触ってないと禁断症状が(日中は仕事でずっと触ってるんだけどね)。。別のDynabookは動作が遅いし、iPadはやはりベットで寝ながら用なのでマルチに情報を収集するときには向かない。これはもうジョブズのお告げだと確信し、MacBookAirの購入を決心しました。なんでMacBookAirかというと、

①プチMac信者としてMacが欲しかった
②ほとんど寝たような姿勢で使うことが多いので、小さいノートPCが欲しかった

という理由から。

11インチの一番スペックの小さいヤツにしました。プログラム組むことを考えたら13インチでスペックが大きいやつがいいのかなとも思ったのですが、今はクラウド時代。開発環境もクラウド上に置くことが多くなってくるだろうと見込んで、自分を追い込むために一番スペックの小さいものを選びました。

IMG_0743


レビューは今更IMG_0745書く必要もなく、みなさんが仰るように非常に、早い!静か!かっこいい!の三拍子が揃っております。キーボードもWinとそんなに変わらないし、アイコン等の仕様はiPhoneやiPadと同じなので誰にでも使いやすいと思います。なんといっても一番いいと思ったのがトラックパッド。細かな指の使い方で様々な動作が可能なんでマウスなんていりません。







細かなレビューはまた今度書いていきたいと思います。

思考停止からの脱却 「知の衰退」からいかに脱出するか? 大前研一

  
このエントリーをはてなブックマークに追加 
最近、大前さんの本を何冊か読んでいるんだけど、彼の思考やライフスタイルには見習うことが多い。

やりたいことは全部やれ! (講談社文庫)
 
遊ぶ奴ほどよくデキる (小学館文庫)
「知の衰退」からいかに脱出するか?

 やりたいことは全部やれ!の中には、「私は今までやりたいことはすべてやってきた。一生懸命がんばれば人生お釣りがくるもんだ」といった趣旨のことが書かれていた。多くの人が過去に悔いを残して生きている中、彼はやりたいことを全て実行し、人生を楽しんでいる。なんて素晴らしい方なんだろう。

そんなこんなで最近何冊か大前本を読んだ中で特に秀逸だったのが、 「知の衰退」からいかに脱出するか? である。2009年に刊行された本で決して新しいとは言いがたいが、当時の(今でも続く)時事問題に着いて大前氏は、どのように考えているか。そして、それを受け取るだけではなく自分で考える力を身につけろといった趣旨の内容が書かれた本である。

中でも参考になったのが大前流、情報収集の仕方である。
①RSSを使って毎日500ほどの記事に目を通す
②重要だと思われる情報を「自分の情報棚」に整理して自分とスタッフにメールで送る
③もう一度読み返し、削ったり加えたりする
④「大前研一ライブ」で解説する
⑤大前氏が主宰する経営塾などでディスカッションする

というような感じで同じ情報に4度触れ、自分なりの考えを付け加えた上で活用しているのである。なんとなく大量のRSSやTwitterをおいかけて結局なんも頭の中に残っていない人は参考にしてみるといいだろう。

放射線利用の基礎知識 書評

  
このエントリーをはてなブックマークに追加 
原発問題で話題の放射線だが、その市場規模は原発などのエネルギーを除くと8兆円超に達する。主な利用は工業であるが、レントゲンやがん治療などの医療に使われたり、食品の害虫除去に使われたりと利用シーンは非常に幅広い。

原発問題で常に放射線には”悪いイメージ”がつきまとうが、大事なのはイメージによる先入観ではなく正しい知識をもつことである。著者も
放射線は目にみえないが、測ることができる。その性質を知り、ルールにのっとった防護の対策を立てれば、ふせぐことができる。しかも、その利用価値ははかり知れない。よく効く薬のようなものである。
 私は、現場を「みる」こと、よく「知る」ことが、不安への一番の対処法だと気がついた。
と述べている。
マスコミによる報道やTwitterで出回っているデマをみていると、不安を煽るだけで、よく「知る」ことによる対処法を怠っているように思える。不安は対象の存在をより強固にするだけである。大事なのは正しい知識を持って”どう付き合うか”ではないだろうか。

ちなみに財団法人放射線計測協会なる組織があって、そこでは放射線の測定器を貸し出している。目に見えず感じることも出来ずに放射線に怯えている方は利用してみるといいだろう。



放射線利用の基礎知識 (ブルーバックス)
東嶋 和子
講談社
売り上げランキング: 7911

  • ライブドアブログ