ITコンサルジャンキー

ITコンサルが日々感じたことをネタにしたりしてます

2012年05月

せっせと銀行からお金を引き上げるギリシャとスペイン国民

  
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ギリシャを発端としてスペイン・
イタリアまで波及している欧州危機ですが、僕は数年以内にいずれかまたは複数の国家が破綻すると考えています。

ギリシャやスペイン国民は次々と預金を銀行から引き出す取り付けを行っているようですが、その行き先はゴールドでも他通貨でもなくタンス預金になっています。ギリシャ国内からの預金引出額が14日までに7億ユーロ(約710億円)に達したとも言われています。

これは自国の銀行に対する不信感であってユーロに対しての不信感ではないということの現れになっています。

どういうことかというと、破綻しかけている国家の国民にとって現在所持しているユーロは安全資産になるからです。

現在日本円に対してユーロ安が続いていますが、ユーロ高になるシナリオとして考えられるのはユーロに加盟している国の財務状況が安定化した場合ということになります。

そうなると破綻しそうな国の国民は、自国がEUから見放される前にすべての資産を返済できなくなる可能性がある自国の銀行から引き上げます。そして破綻しなければそれはそれで良しとして、破綻しユーロからの離脱を余儀なくされればそれだけでユーロは以前よりも安全資産になるのでもっているだけで資産価値が高まるという理屈があります。

つまりどちらに転ぼうと、自国の銀行から預金をすべて引き出すというのが最適解になり、その結果、国の破綻はますます現実味を帯びるということになります。

他のEU国が援助しているのは破綻した国を除外するための法律が確立していないからであって、そういった法律が一度できてしまうと、ギリシャ・スペイン・イタリアと次々と精算していく可能性もあるかと思います。

これは破綻国とドイツ・フランス等の安全国の戦いになるでしょう。

そういった意味では新しいフランス大統領であるオランド氏とドイツのメルケル首相が先日、初会談したのですが、二人の政策動向に今後も目が話せません。
 

studygiftに対して思うこと

  
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ここ数日間、絶賛炎上中だったstudy giftですが、
やまもといちろう氏と家入氏のtwitterでのやりとりで、若干の収束がみられたように思われます。

山本一郎氏、 #studygift 騒動のソフトランディングを迫る。

家入氏はlivertyという新しい形の組織を作っていて、「サービスの素早いローンチ」「新しいマネタイズ方法の確立」ということを信条としているようで、今回はその強みが結果的に仇となってしまったケースだったのではと思います。

サービスの素早いローンチはとても重要なファクターだと思いますが、study giftは家入さんの今までのサービスに比べると非常にデリケートな題材であって、しかも最近の家入さん信者の急上昇ぶりを考えると、サービスをローンチするにあったって生じる影響をきちんと考え切れてなかったのだと思います。

これがstudy giftではなく単なる女子大生のパトロン募集であればここまで騒ぎにならなかったと思いますし、家入色がそちらのほうが発揮できたと思うのですがどうやら最近の家入さんは、「ゆるさ」よりも「硬派さ」を出したいようでして。

news - #studygift に一番抜けているもの


坂口さん自身もずいぶんと思い切った行動をとったなという印象です。家入さんの口説きが効いた部分もあるのでしょうが、やはり彼女自身もおばか大学生だったのかもしれません。僕の個人的な見解をいうとネット界隈の女性の活躍に対して風当たりが強いという風潮がありまして、一度google+で日本一になった際も小火騒ぎが起きましたけども懲りないなと思う次第です。

まあ炎上マーケティングとしては完璧この上ない仕上がり具合ではあるのですけども。そこらへんは見習いたいですね。

完璧な上司は部下にとって不要という事実

  
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よく雑誌の特集なんかで理想の上司についてランキングされていたりする。

部下にとっての理想の上司は「いざという時に頼りになる」というのがもっとも多い意見だろう。僕自身もこれには同意である。

部下を持てば、慕われるような上司になろうとか頼りになる上司になろうとか考える人も多いだろう。

ただ、部下にとって上司とは先ほど行った通り「いざ」という時に絶対安心感を誇る存在であって欲しく、常に威力を発揮されては困るのである。つまり理想の上司はサッカーで言うと攻守ともに素晴らしい長友ではなく、最後の砦となって後ろから見守ってくれるドイツワールドカップ時のオリバー・カーンなのだ。

例えばアプリ開発の現場で考えてみよう。ここでいう部下とはプログラマのことであり上司とはプロジェクトマネージャのことである。完璧な上司は、ユーザとの仕様の確認・工数の交渉・社内スケジュールなどこなしつつプログラムの品質についても提言できる。多くのシステム屋ではプログラマ上がりのプロマネが多いため、下手したら環境の整備やコーディングまで行う人もいるだろう。まさに絵に書いたような完璧な上司である。

上司が上手く仕事の流れを作ってくれた場合、その下のコーディングリーダー的な存在の人は非常に助かり、ガシガシプログラミングに専念できる。そうするとその下のプログラマも仕事が楽になっていき、最終的に一番下っ端のプログラマは簡単な部分を担当させられたり管理資料となるExcelをせこせこと作ることぐらいしか仕事がなくなってしまう。

プロジェクト的に見るとまさに素晴らしい状態なのだが、これは部下としては念のため資料を作らされて陽の目を見なかったり、すっかりコーディングを直されてしまったりと、やりがいや責任感が発生しづらくなってしまう。

部下にとっての理想の上司と、完璧な上司像はことなるのである。

僕としては、上司はユーザとの交渉さえしっかりとメンバーの意向を組んでやってくれさえすれば、ほとんど仕事をしなくてもいいと思う。そこでプロジェクトが少し大変になり、難しい部分のプログラムや仕様を考えたり、マネジメント的なスケジュール管理などを少し任されたりすることによって自分自身の能力も磨くことが出来るからだ。

自分が楽をする為に部下を使うくらいの気概が上司にはあっていいと思う。

日本では、どの層でも真面目で自分の職務を全うするために、一つ上の地位の仕事を経験することが少ない。先程の話の例で言うとプログラマからプロマネになったとき、今までほとんどプロジェクト管理したことがないという人もいるということだ。

つまり、地位が上がることに未経験の仕事をすることになり、会社全体で見るとどの地位の人も常に無能な人でできあがってしまうという構造があるのだ。

責任感のある上司に恵まれ、入社した日から窓際社員のような仕事しか与えられないより多少大変でも自分の仕事をどんどん投げてくれる上司のほうがスキルアップの面では、「良い上司」であるということを理解しておく必要があるだろう。


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個人で仕事をすることが勝ち組的な風潮に対するあれこれ

  
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IT周りのインフラの低価格化や技術の発達によって’仕事’に必要な人員というのは少なくなってきています。それに加えて労働者間での競争が国内のみならず世界規模になることで、日本人は価格競争に負けてしまい仕事を失う人が増えてきています。

このような変化は現状では大規模に起こっているわけではありませんが、その足音は確実に大きくなってきていると言えるでしょう。多くの識者たちも大企業に入れば一生安泰という神話はもう成り立たないと警鐘を鳴らしています。

対極として、家入さんが主導としているような新しい形の集団が生まれてきたりしています。その背景として多くのサービスをインターネットを通じて提供できるようになったことで、サービスを立ち上げる速さ・そのサービスが伝わる速さが尋常ではなく速くなってきていることが挙げられます。極端な話、ちょっとしたアイディアが浮かんで、2〜3時間でそのサイトやソフトをさくっと作ってTwitterで広めて、そのまた数時間後にはすでにマネタイズできるようになるといった例が色々と出てきています。

このようなスピード感でプロジェクトを立ち上げれるようになると、継続的な組織というものが非常に煩わしくなってきます。アイディアによって一人でやりたい事や複数人でやりたい事など色々なパターンが出てくるからです。複数人でやりたいことがあればTwitterやFacebookで適当に募れば良いやという風になるとますます会社の必要性がなくなってきます。

もちろんこのような例は、現段階ではごく一部にしか当てはまらないのは承知ですが、そのごく一部の規模が急速に拡大しています。かつての多くの人が想像する仕事というのは事実上世界的な大企業が独占状態になるように収束し、その他はマイクロ化した仕事が増えていくでしょう。

最近はその流れも顕著になってきており、マイクロ化の代表として「ノマド」「フリーランス」と言った言葉がバズワード化してきています。収穫逓減の法則を考慮すると、フリーランスで仕事がしたいと思っている若者は少しでも早く信頼を構築して生活できる域までにマネタイズする必要があるように思えます。流行りのノマドでいくら固定経費を削減したとしても収入がなかったら仕事としては成り立ちません。傍から見たら一日中2chをしているニートとほとんど変わりのないインプットアウトプットしかしていない人もちらほらと出てくるのではないでしょうか。

有料メルマガやればなんとかなるっしょと思っている人もいるかも知れませんが、市場規模は拡大しているとはいえ賢明な読者は有益なメルマガが増えてきて、前まではホリエモンとisologを購読してればオッケーだったのが、どれを読むべきか取捨選択を始める段階にまできています。競争という観点から言うと、社内での競争のほうがずっと緩く優しいもののように思えます。

そう考えると、社畜が負け組でフリーランスが勝ち組とかそういった図式は成り立たずに結局、社会に対して自分が少しでも貢献できることをせこせこと誠実にこなしていくことが、身も蓋もない結論なのでしょう。
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