上場後、
話題性とは裏腹に株価が奮わないfacebookですが、いままでちょこちょこ話があったfacebookからのスマートフォン発売がいよいよ現実味を帯びているようです。

フェイスブックが独自のスマートフォンを開発か、米紙報道

これが事実だとすると僕はもしかしたらfacebookの株はさらに下落してしまうのではないかと危惧している。

せっかく、ソーシャルネットワークの大企業が世界の覇権をとろうというのに、予想が現実になってしまうのは非常に残念なため、そうならないことを祈りつつ、なぜfacebookからのスマートフォン発売がネガティブに思えてしまうのか考えてみたい。

1facebookは専門ハードが必要なものではない

そもそもiphoneのfacebookアプリにできなくてfacebookスマートフォンにできることは何だろうか。ソフト面ではまずないと思う(そういう予想を裏切られることを消費者は望んでいるのだが)。ハードでいうと、想像してみるといろいろあがってくる。会話やバックミュージックを全部マイクで拾って、世界中のユーザからぴったりの友達を紹介してくれる機能とか面白そうだが、そういった類のものはオーバースペック感が否めない。


2いけてるスマートフォンを作れる可能性はきわめて低い

当然、facebookを利用するに当たって特化したインターフェースを実装することになるだろう。アプリケーション内の実装であれば他のスマートフォンの差異化はまったくできないので、OSレベルでの特化になってくる。ここで考えられるのはせいぜい起動方法くらいだろうか。そうなるとiphoneを超える可能性はきわめて低くなり、ユーザの満足は得られないと思われる。



3facebookのシェアが広がる可能性は低い

安価なスマートフォンで先進国以外をターゲットすにするなら話は別であるが、先進国でのユーザは記事にもあるように頭打ちになっている雰囲気である。需要はハードによって変わるとは考えにくい。

2011年に入ってユーザー数減少 本家米国で「フェイスブック疲れ」



スマートフォンの開発費が100億円以上かかると言われているがこの額はいくら時価総額が下がったとはいえFacebookにとっては、はした金である。だが、いけてる企業がいけてない商品を出すと、「こいつやばいんじゃないの」感がどうしても出てしまう。


先ほど上げたニュースの中では、ザッカーバーグが
数ある携帯端末用アプリの1つに終わってしまうと懸念していると報じられている。たしかに現状のfacebookを維持するだけでは市場は評価してくれないだろうし、栄枯盛衰が激しいソフトウェア業界であるから、危機感を持っているのかもしれない。ただ、上に挙げたようにfacebookからでるスマートフォンは現状iPhoneに勝てる要素が見当たらない。やはりfacebookにはソフトで勝負してもらいたいという気持ちもあるし、上場直後でこんな話もなんだが企業としてのアイデンティティを失った場合は、MBOもありえるのではないだろうか。