ITコンサルジャンキー

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書評

GWに読みたい本3冊

  
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ゴールデンウィークは皆さん、どのようにお過ごしでしょうか。旅行に行ったり昼から飲んだりするのも楽しいですが、普段仕事や勉強で脳をフル回転させている皆さんは休みになると頭を使わなくなって心地よい疲れが訪れずに睡眠リズムが狂ってしまうのではないのでしょうか。

休みの日だからこそ、自分の為の勉強や仕事を思い切り打ち込むのもいいと思います。

そこで、そんなストイックにゴールデンウィークでも脳に負荷をかける人たちに少しでも休み気分になれるように有益且つ普段読まないようなビジネス書以外の本を紹介したいと思います。


私が弁護士になるまで
菊間 千乃
文藝春秋
売り上げランキング: 2231

フジテレビの元アナウンサーでかる菊間さんがアナウンサーという仕事をこなしながらどのように司法試験に合格したのかのエピソードが語られています。ちょうど弁護士になるための学校に入って忙しい時にジャニーズとの飲酒問題が出たわけですけども。。そのころの心境も語られています。ビジネスマンには普段の仕事をこなしながら自己投資をどのように行っていけばいいのか大変参考になる本だと思います。



SOUL RESET 魂の再起動 魂の声に耳を澄まし、未来を見通す方法
高城 剛
マガジンハウス
売り上げランキング: 1959


高城剛氏の新書です。タイトルだけ読むと、とんでも系ではないかと思ってしまう方もいるかもしれませんが、中身は自分自身と上手に向き合うためのメソッドが書かれています。2000年直前に世界保健機構(WHO)が、二十一世紀の健康の概念として「霊性」を提唱し、満場一致で承認されるほど、魂といいますか、精神とは別にある心の欲求みたいなものに関心が高まっています。ジョブズが瞑想をしていたという話もありますし瞑想ブームが訪れそうな予感です。情報デブになっている人は心と頭のダイエットを本書を参考にしてみたらいいと思います。



クリーニング革命―すべては喜ばれるために
古田 武
アスペクト
売り上げランキング: 42695

HONZで紹介されていて非常に興味がそそられた本です。麻布十番にある「遅い、高い、でも上手い」と言われるクリーニング屋があるのですが、非常に人気があり数十万円する服が毎月何十点もお店に届くそうです。HONZの書評はとても丁寧に書かれていて、本を読んだ気になってしまい僕もまだ読んでいないのですが、書評を読むとみなさんも非常にそそられると思います。

ホントは10冊くらい紹介したい本があるのですが、連休中読める冊数も限られるので厳選して紹介してみました。ぜひ参考にしてみてください。

抽象化思考の罠 ー正しい思考法を養うためのオススメ本ー

  
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以前からこの種のエントリーを書きたいと思っていたのだが、なかなか書けないでいた。 その理由として、僕自身ある事象に対して向き合うときに抽象化すべきか具体化すべきか、はたまたどちらとも取り入れるべきか、取り入れるときのバランスはどうしたらいいのかと、色々悩んでいたからである。例えば、自己啓発本はある成功者の習慣をピックアップして、この習慣を身につければ成功できるといったことを書いて売りにしている。これはどちらかというと抽象化の行為である。

もちろん演繹法・帰納法という全く反対からのアプローチ法が両方確立しているように、どちらも蔑ろに出来ないのは確かである。ただ、今の世の中を僕なりに見る限りあまりにも「抽象化」することが多いように思えてきた。 それと同時に物事を個別に分析する手間を怠っていることで、全体の空気として正しいと思われていることが、突き詰めれば間違っていたり論理の飛躍だったりすることが多々あるのではないだろうか。

なぜ抽象化することが多いのかというと、それは単純に考えるのが”楽”だからである。「Appleはデザインから機能にいたるまで無駄を極力排除した革新的なガジェットを創りだしたから世界一の企業になった」というのは正しい。しかしこの抽象的な事実がどの企業に当てはめてもうまくいくものではないし、あまりにも漠然としている。

世界的にベストセラーになった本に「ビジョナリー・カンパニー」という本がある。 この本は、世界的に成功した企業がどのようなビジョンを持って事業を行っていったのかという法則性をいくつかの企業例を用いながら説明していくものである。もちろんこの本の筆者は本書で書かれたいる何倍もの企業を研究し、そして分析した結果を抽象化して書かれているのだが、この本を読む私たちにはその事は分からない。 単純に本書をありがたがって、これで成功企業の傾向が分かると思ったら大間違いである。

抽象化の罠に陥らないようにするためには”自分で考える”・”数値に基づく”といった方法が不可欠である。どちらも慣れてない人にとってみればすごくめんどくさい行為であるが、抽象化の罠に陥らないようにするためにはそれしか方法がない。むしろこのめんどくさい行為を習慣化することによって、人よりも深い洞察力や解決力を持って、仕事にも幅が出るのは間違いない。

ここで、そういった思考を養うために役に立つ本を最近読んだ本の中から2冊ほど紹介したい。

自分のアタマで考えよう
ちきりん
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 360

アルファブロガーであるちきりんさんの著書である。考えるとはそもそもどういったことを指すのかということや、どういったアプローチ方法をとればいいのかといったメソッドが書かれている。彼女のブログは常に人の意見に左右されずにゼロベースで考えられた持論を展開しているので人気がある。その思考法がつまった本である。




デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
藻谷 浩介
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 365

本書は、いわゆる経済学書である。デフレの要因は国際競争力とかそういったものは関係なく、働いたり消費したりする年齢の人口が減ってきているからだという説を主張している。経済書としても有益であるが、僕がおすすめしたいのは結論に持って行くまでのアプローチ方法である。本書で用いられているデータは誰でも簡単に手に入るものばかりであるが、デフレの正体を人口の波で的確に説明している人は少ない。それは、単純に数字を読まずに分析もせずに空気で物事を判断しているからにほかならない。本書は正しい思考法を知るためのうってつけの本である。


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営業の問題解決スキル 斎藤 顕一

  
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営業の問題解決スキル (BBTビジネス・セレクト)
斎藤 顕一
ゴマブックス
売り上げランキング: 289149


本書は大前研一氏が運営するビジネス・ブレークスルー大学という社会人向けのMBA大学の講師を務める方の営業マンに対する問題解決スキル本である。いくつかのケース例を用いて、営業という立場からどのように顧客と自社がwinwinになるような価値提供を出来るかということが書かれてある。文庫本より少し大きいくらいのサイズで、要領を得た内容になっているので、余計なことがつらつら書かれてある分厚いハードカバー本を読むよりは、本書を読んだほうがよほど効率的である。

しかし、その解決案にたどり着くアプローチは決して新しいものとは言えないし、どこかで聞いたことがある内容ばかりだ。それなのに毎月のようにこのような本が出ては売れるというところを見ていると、言うは易く行なうは難しの世界なのだなとつくづく感じる。

例えば、「海を想像してみてください」と言われたとしよう。殆どの人は自分なりの海を想像することができるが、その程度はかなりの差がある。なんとなく静止画として海を思い浮かべる人もいれば、波の音や海の香りまで細かく頭の中で再現する人もいる。これと同じように、「顧客の抱えている問題点とそれに対して行える自社の強みを考えてみてください」と言われたところで、10秒くらい考えて答えを出す人と、1日中情報収集をしながら考える人とでは出てるく答えは自ずと変わってくるのは容易に理解できるだろう。本を読みながら考えるとなると、続きが気になるので尚更なんとなく考えて、読了した頃にはなんとなく出来るようになった気がするというのが関の山ではないだろうか。 

だからこそ強制的に考え強制的にアウトプットさせるようなビジネス・ブレークスルー大学のような所に需要があるのだし、そういった場所はより高度なアウトプットを成績として称えることで競争心を煽るようなゲーミフィケーションが確立してあるので、例えストレスを感じてでも人は頑張れるのである。 

問題解決力であれスポーツのスキルであれ、ある程度までのスキルであればそれを身につける理論は確立している。あとは飽きずに反復できるかどうかが鍵である。 そのために自分の性格や環境を加味して、どのように最短距離でスキルを身につけるかという問題解決力をまずは本書で学んでみるのもいいかもしれない。
 
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旅の極意、人生の極意 大前研一

  
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仕事もできてプライベートの遊びも満喫し、やりたいことを全て成し遂げるという素晴らしいバイタリティをお持ちの大前さんの、趣味である「旅」にフォーカスした本である。学生時代から旅行ガイドとしての経験を持っている大前さんらしく、旅のプロデュースはなかなか魅力的であり、あまり海外に出かけない僕としては非常に興味がそそられた。メインである旅行プランの提案も素晴らしかったのだが、一番刺激を受けたのは、冒頭で説明している旅行ガイド時代の大前さんの話である。

学生時代ブラスバンド部だった大前さんは、プロが使うようなクラリネットが欲しくなりバイトをして買おうと考える。大卒の初任給が1万円の時代に、トータルで14万円もするクラリネットを手に入れるために仕事として選んだのは当時、給料が破格に良かった「通訳案内業」であった。添乗員に必要な「通訳案内業」の資格を史上最年少で取得した後、アルバイトとして働くようになった。彼のガイドは非常に評判で、給料の他に客からチップもたくさんもらうようになり多い月は月収が20万を超えていたという。そんなわけで余裕でクラリネットを購入して、さらにはブルーバードの新車まで学生時代に手に入れた。

やはり伝説のコンサルタントとしての片鱗をすでにアルバイト時代から見せていた大前さん。どのように通訳案内業として評判を上げて行ったのか詳しくは本書を読んで欲しいのだが、やはり一番重要なのはチップを弾みたくなるほど満足させるということに尽きている。そのための工夫をたくさん凝らして、実績をあげていったのだろう。

職種によってはお金を払ってくれるお客と直接接点がないものも多い。プログラマもフリーでやっている人と会社で受託開発を行っている人とでは全く違う。ただ、世の中の流れとして組織よりも個人で活躍できる機会が増えていき、バックエンドは単純労働化されフロントエンドに立たない限り稼ぐということは難しくなってきている傾向にある。

お客を喜ばすために工夫を惜しみなくする大切さと、フロントエンドに立つ大切さ、両方を痛感した一冊であった。

旅の極意、人生の極意
大前 研一
講談社
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日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか

  
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貸していた本が戻ってきたので久しぶりに読み返してみたのだが、今話題になっている社会保障と税の一体改革のことについて理解しやすくなると思ったので紹介。

日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか
竹中 平蔵 池田 信夫 土居 丈朗 鈴木 亘
PHP研究所
売り上げランキング: 123432



 毎年何もしなくても1.2兆円自然増していく社会保障費を賄っていくには大規模な増税が必要なのは言うまでもない。そこで必要なのは税収増に全く寄与しない所得税の最高税率の引き上げや法人税の引き上げではなく、消費税の引き上げである。野田政権は消費税10%案を出しているが実際その程度でプライマリーバランスを黒にするのは不可能で少しだけ財政崩壊する時間が延命される程度である。

はっきり言って日本経済はほとんど詰んでると思っている。現状からドラスティックな変化を遂げるには所得税・法人税を他国並に下げ、消費税を15%程度にあげること。そして年金制度を一度崩壊させるもしくは、年金というのは年寄りの生活費ではなくあくまでも”生活補助費”であるという本来の意義を改めて説明して高齢者への負担増をお願いして世代間格差を縮小させること。特定の分野への成長戦略は一切なくして経済成長は市場に委ねることである。

細かな経済学的なことや政治学的なことを考慮しなければ、本当に以上の政策しか必要ではないのである。しかもそれがほとんどの識者や政治家のコンセンサスにも関わらず、何一つ改善されないのが現状だ。

今年はアメリカ大統領選挙を始め、中国の国家主席が変わったり、ロシア・フランスの大統領選挙があったりと世界のトップが一気に変わる重要な年である。そんな中ただでさえ衰退国になりつつある日本が世界でリーダーシップをとれないような立場に一気に追い込まれる可能性もあると僕は感じている。

当たり前の政策ができない日本に対して、政府や企業が呆れてしまって完全なる衰退国になってしまい財政赤字がデフォルトを起こさないことを願うばかりである。

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