ITコンサルジャンキー

ITコンサルが日々感じたことをネタにしたりしてます

書評

こんな僕でも社長になれた -書評-

  
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本書は自称’悪ふざけ連続起業家’の家入一真さんの現在にいたるまでの経歴やエピソードを書いた自叙伝である。僕は以前からどいういう経緯だったかは覚えていないのだが、家入さんをTwitterでフォローしていてその存在を知っていた。タイムラインの中で一際面白いことを呟いていて、僕は彼がどんな人物なのか、そしてちょくよく話題に出てくる’ペパボ’とは何なのか非常に興味を持った。

ペパボとは家入さんが起業した会社名で正式名paperboy&coの略称である。彼は以前新聞配達で住み込みのバイトをしていた経歴があって、そこからとった名前だという。ペパボの有名なサービスで言えば30days albumが挙げられる。そのほかにも都内にいくつかのカフェも経営している。もともとはIT系で起業したのだが、彼のジャンルに拘らない起業スタイルは非常にいち消費者として魅力的である。

家入さんがどういう人なのかというのは説明するよりも以下のtoggeterを読んでみるほうがわかりやすい。

家入一真( @hbkr )の「IVSに申し込んでも無く、泊まるあても無いのに京都に行ってみるテスト」

また最近ではoreponなるサービスを作っている。これは自分の時間やスキルをクーポンとして売るというサービスである。まだ立ち上げ当初だが今後の展開が非常に楽しみなサービスである。

そんな彼でも中学生の時突然、仲間からはぶられるようになったのち不登校になったり、両親が離婚したりと波乱万丈の人生を送っている。不登校になって部屋で引き篭っているときに夢中になったのがコンピュータであった。デザインやプログラミングといったスキルはその時培ったものが大きいようだ。そして彼はTwitterで
自分の信じる物を独善的に作り続ければいいんだよ。プレゼン大会もセミナーも飲み会もパーティも出なくていい。もっとコミュ障でいい。”
とつぶやいている。これは起業家にむけての言葉だと思われるのですでに仕事をしているビジネスマンには直接当てはまるものではないだろう。しかし、コミュニケーション能力で自分の脳力をカバーするのではなくあくまでも技術やこだわりで勝負しろという彼のメッセージには非常に共感させられる。

こんな僕でも社長になれた
家入 一真
ワニブックス
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交換フローを増やすことが金銭的成功をもたらすー繁栄ー

  
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かつての世界は、地理的に近い範囲で「村」のようなコミュニティーを作って生活をしていた。そこには一般的に男が狩りをして女が子どもを育てたり料理をするという役割があった。体力面なのか遺伝としてなのかは定かではないが、それぞれの得意分野に特化した役割をもち、暗黙の了解のような交換条件が存在していた。

そのうち「村」と「村」で交易を行うようになった。A村でしかとれない果物をB村のめずらしい穀物と交換するようになったのだ。それがどんどん広がっていって、物々交換では非常に手間がかかるということで歴史上最大の発明とも言える「お金」が誕生した。お金が誕生したことにより、交換は食料や生活必需品に限らず、お金と労働力を交換したり、お金同士も交換するようになっていった。

 交換することで自分ではつくることの出来ない料理を食べたり、自分だけでは一生辿りつけないような場所に旅行をしたりといった経験を非常に少ない交換価値で出来るようになった。 

例えば、あなたがマクドナルドでたった数時間、客引きもなんの工夫もせずに働いただけで、膨大な敷地の中にものすごい仕掛けのある夢の国で1日中遊べるお金を手に入れることができる。

しかし、より少ないものでより多くのものと交換できるようになったことで、以上に書いたような大原則を忘れてしまっている人が多いのではないだろうか。

仕事においては交換する価値のあるものを生み出していないにもかかわらず、より良い給料を求め、将来の保証や仕事のやりがいまで求める始末だ。交換としての仕事とは本来与えられた仕事をきちんとこなす労働力を提供した結果、それに見合った対価を給料として得るものであり、そのオプションとしてやりがいを求めることは不可に近い。優秀な人はサラリーマンであっても労働を提供するだけでなく、さらに社会に価値を生み出す。 そういった積み重ねによって交換のハブとなり対価としてお金が入ってくる仕組みなのだ。

本書は、世界の繁栄がいかに「交換」によってもたらされたのかという事について書かれている。歴史的事象について書かれているものであるが、先ほど述べたように実生活にも応用のきく普遍的な真理がそこにはある。次回はその真理をもう少し視点を変えて、「目的を達成するための交換」についてのエントリーを書こうと思います。

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)
マット・リドレー
早川書房
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リハビリのためのミニ書評

  
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最近全く書評でのブログ更新がないと気づいた今日この頃。もう3ヶ月くらい書いてないんだなと。

せっかく数週間前に成毛眞さんの講演に参加して書評への熱を上げたというのにどうしたものかと考えていたら、どうも最近”書評向き”の本に出会ってないという結論に達しました。

まあそれでも毎月ほそぼそと20冊くらい読んでいたので、リハビリを兼ねて書評ではなくミニ紹介という形で書いていきたいと思います。 

ゼロから始める都市型狩猟採集生活
坂口 恭平
太田出版
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タイトルだけでは「?」となってしまいますが、要は「家なし金なし」で東京で生活するための方法が書かれています。著者も実際にホームレスを体験してみたりと実にユニークな本です。ちなみにエリートホームレスは平均的な新卒のサラリーマンよりも良い収入があるらしい。その詳細は本書で。




今さら感と自己啓発感が漂う本書ですが、ホリエモンが情報収集の極意について語ってる数ページを読むだけでも価値があると思います。ホリエモン曰く「情報収集は砂金採り」だと。勝間さんとホリエモンの対談ではなく田原さんが仲介に入ることで読者が二人に聞きたい内容が聞き出されていて、非常にいい本になっています。



ディーラーをやっつけろ! (ウィザードブックシリーズ (109))
エドワード・O・ソープ
パンローリング
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まだ読了してませんが、カードゲームのブラックジャックについて書かれた本。これでカウントという手法を覚えて友達と賭けでもしたいと思います。
ブラックジャックの魅力はこちらの映画を参考に。

ラスベガスをぶっつぶせ [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2008-10-22)
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E=mc2 世界一有名な方程式の「伝記」
ディヴィッド・ボダニス
早川書房
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あまりにも有名な公式ですが、その意味を理解してる人は少ないはず。本書はこの方程式にスポットライトを当てて、E・=・m・c・2についてそれぞれ個別に解説をしています。数学音痴の僕でも理解できたので、文系だけど相対性理論の上澄みだけ知りたいという方はぜひ。

鉄が地球温暖化を防ぐ 書評

  
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鉄が地球温暖化を防ぐ

地球温暖化を防ぐためにもっとも簡単かつ実践的な方法である。なにせ鉄を海に入れるだけで海藻が育ち二酸化炭素を吸収して固定化してくれるのだから。

本書では、鉄がどのような仕組みで地球温暖化を防ぐのかが書かれている。一見難しそうな内容だがあまり専門的な用語を使わずに説明されているので非常に分かりやすい。

僕は、「鉄理論=地球と生命の奇跡」の方を先に読んだのだが、本書を先に読んだほうが理解が早いと思う。

鉄が地球温暖化を防ぐという論理は非常に明快だ。まず、前提として海洋植物は地上の植物と同じくらい二酸化炭素を光合成によって酸素に変えてくれる力を持っている。つまり植物を増やすと二酸化炭素の減少に役立つと同様に海洋植物を増やすことで二酸化炭素を減少し地球温暖化を防ぐことができるのだ。

それではなぜ鉄なのか。海洋植物の栄養素としてリンや窒素が挙げられるが、そもそも先に鉄分を取り入れておかなければリンや窒素を取り込めない構造になっているのだ。そして海藻などの海洋植物が育たない理由はリンや窒素の不足よりも鉄分不足に起因している場合が多々ある。

興味深いのは本書でも説明されている「関空パラドックス」である。関空の建設は地域住民から環境破壊になるのではという反対意見が多かったのだが、蓋を開けてみると関空周辺には以前にはなかった海藻類が多くできるようになったのだ。その要因は関空の土台に使われた鉄であるというのだ。

僕は地上の植物を増やすよりも人工的に鉄を海中に入れることで海洋植物を増やすほうが容易であると思う。アメリカの思案で京都議定書を結ばされ、鳩山元首相の出血大サービスで2020年までに二酸化炭素の割合を25%減らすこととなっている日本としては、排出量削減には寄与しないが国家政策としてまずはスチール缶を海にばらまくことから始めてみると良いかもしれない。 

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捕食者なき世界 書評

  
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捕食者なき世界

捕食者とは被食者にとってみれば、厄介者でしかない。本来は被食者である人間にとっても捕食者は「いなくなって欲しい存在」である。これについては、ヒトは食べられて進化したを読めば理解できるだろう。(ヒトは食べられて進化した 書評

しかし、実際は被食者が捕食者を支えているように捕食者が被食者を支えているのだ。サルの捕食者が存在しないまさに「楽園」と言うにふさわしい環境で、サルは現在どのように生活しているのか「第5章生態系のメルトダウン 」を読んでもらうとわかるだろう。食料である植物は毒を含むように進化し、食料が不足してしまいまさに「地獄」と変わってしまったのだ。

一度バランスが崩れた生態系はもとに戻すことが難しい。それでも、捕食者なき世界に捕食者を戻すことでその生態系を取り戻した例を本書で紹介されている。

未熟だった人間は私利私欲のために突き進んだ結果、故意とは言わないまでもその生態系を壊し、捕食者を奪ってしまったこともあった。生態系という壮大なスケールを解明し、その生態系を崩さないように務めるのがあらゆる生物の中でもっとも多くの知性を持っている我々人間に与えられた使命のように感じた一冊である。 

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