いきなり断言するのもなんだが、世の中人気のあるものは必ず一種の「一発逆転」への希望を有している。
変身ベルトに始まり、Wi-Fiルータ、ノマド、会社、食器、本に至るまで人気のあるものは必ず「一発逆転」を思わせる仕組みが働いている。
これを使うことで強くなれる、YouTubeがサクサク見れる、しがらみがなく好きなことをしてお金を稼げる、厚い待遇を受けながらスキルアップできる、レストランのようなおしゃれな食卓が出来上がる、お金持ちになる習慣を身につけることが出来るといった具合だ。
そして、どれだけそのモノたちを欲したときに想像した理想と現実が乖離していようと、人は飽きることなく次から次へと「一発逆転」を欲していく。
時間についても同じで、休日が待ち遠しいのは、時間があるから家族と建設的な時間が過ごせる、プログラミングについて勉強できる、積ん読してある本が読めるといったところだろう。
自分自身には非がないが、ほんの少し何かが足りないせいでこんな思いをしていると思わせる”何か”がそれらなのだ。
僕自身も例外なくそれらを追いかけている。
すごいプログラマになるためには、マシン語を勉強しよう、CPUの仕組みを理解しよう、ネットワークに強くなろう、DBのチューニングができるようになろう、kernelのソースを読み込もう・・・と思いだしたらキリがない。
色々手を出した上げる結局本当に身に付けられていない現状に辟易とすることがある。
Appleはシンプルにそして一つのことにフォーカスしたからこそ成功したという話を最近本で読んだ。
僕がアップルで学んだこと
シンプルに考えフォーカスしようとすると、人生はいくらあっても足りないのではないかと思ってしまう。
先ほど例に挙げた一発逆転を想像させてくれるモノたちは、数ヶ月、いや数日、時には一瞬で自分を変えてくれる思わせてくれるのに、自ら誠心誠意それを実現しようとするとあまりに無為に過ぎた時間を悔い、そして今後途方もない時間を有することが分かってしまうからだ。
それがわかった今だからこそ、僕は一発逆転には安易に乗らないように心がけている。
あまり精神論は好きではないが、入部当初の新入社員がボール拾いをするように、最初は誰でも小銭拾いをしなくてはならない。都大会の決勝でかっこよくゴールを決めるように何かを為すためにはやはりそこが原点になるのではないだろうか。
まずは身近にいる誰かを喜ばす何かを作る。
一発逆転のモノたちを吸収するよりも多くの時間を有するが、 最近歩き出した自分なりのこのプロジェクトは、今までよりも多くのリターンをもたらしてくれる。
・・・・という今までと少し角度の変えた一発逆転に勤しむ自分を綴ってみた。
いろんな意味でどこまで入り込めるかそれだけをテーマにっやてる THA BLUE HERB
マックジョブを辞めて、専門知識を身につけたいと希望する君に